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記録して読み返す

血糖の手帳をつけるのは何のためか

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窓辺で開かれた分厚い手帳。ページには手書きの行が上から下へ並んでいるが文字は読めず、その上に万年筆が置かれている。

記録の手帳は、ひとつの測定ではなく、その測定がどんな条件のもとで出たものなのかを残しておきます。役に立つのはこの背景のほうです。ひとつだけで置かれた数値は、ほとんど何も語りません。同じ時刻にくり返された三十行のほうは、時刻ごとの型を見せます。

記憶は数値を残さず、気持ちを残します。ひどかった朝は何週間もおぼえていますが、おだやかに過ぎた十五の朝は跡を残しません。手帳の最初の仕事は、このゆがみを正すことです。よい日も悪い日も同じ行の幅で書きます。二つ目の仕事は背景を運ぶことです。そばに時刻のない数値は、どの問いに答えていたのかを失います。

手帳を読めるものにするのは列です。

行の中の欄何を分かるようにするか
時刻その数値が空腹時のものか、食後のものか
食事からの隔たり上がり方が食事から来たのか、その日自体から来たのか
食事の大きさ同じ朝食が毎回同じ行をつくっているか
薬、運動、睡眠型がこれらのどれかと重なっているか
ひと行の覚え書き病気や旅行など、一度きりのことか

STePという名前で知られる研究が、インスリンを使わない2型糖尿病の人でまさにこれを測りました。参加者の一部は、診察の前の三日間、測定を一枚の紙に書きました。もう一方はふだんどおり測定を続けました。紙を机に置いた群では、医師が治療をより多く変えました。一年の終わりには、HbA1cの下がり方もその群で大きくなっていました。紙は治療ではありませんでした。決定の前を開いたものでした。

反対の方向から来る結果もあります。ある系統的総説は、同じ群で家庭での測定のHbA1cへの効きめを、六か月では小さいと見ており、一年では意味のあるものとは見ていません。これらは食い違ってはいません。測ることだけでは何も変わらず、読まれて決定に変わった測定が変えるのです。手帳は、その移り変わりが起きる場所です。

次の習慣は、同じ手帳を読めないものにします。

  • 高い数値だけを書くこと:手帳がそれ自体、不満の一覧に変わります。
  • 時刻を抜かすこと:同じ列で朝と夕方が混ざります。
  • 測る時刻を毎日ずらすこと:行がくらべられなくなります。
  • いつもと違う日に印をつけないこと:かぜをひいた週が、続いている傾向のように見えます。

診察は短く、記憶はまさにそこでいちばん弱くなります。手帳の最後の仕事は、話を要約から取り出して、机の上に確かな文章を置くことです。

紙の手帳とアプリではどちらがよいですか。
どちらも同じ仕事をします。行を並べることです。紙は設定を求めません。アプリは列をひとりでにそろえます。手元にあるもので始めてください。いちばん悪い手帳は、始まらない手帳です。
毎日測る必要がありますか。
まばらでも完全な一そろいのほうが、毎日ぽつぽつ測るより多くを語ります。STePの研究の紙は、診察の前の短い窓に集まっていました。散らばった測定は雑音を記録します。
食べたものも書くべきですか。
料理の名前ではなく、時刻と大きさを書いてください。名前はそれだけでは情報を運びませんが、時刻と量は運びます。行が長くなるほど、手帳は早く捨てられます。
たまった古い手帳は何の役に立ちますか。
くらべることは古いものがあってこそできます。だからページは捨てないでください。ひと季節前の同じ週を見ることは、ひとつの日を読むよりも多くを語ります。

参考資料

  1. Polonsky WH, Fisher L, Schikman CH, Hinnen DA, Parkin CG, Jelsovsky Z, Petersen B, Schweitzer M, Wagner RS. Structured self-monitoring of blood glucose significantly reduces A1C levels in poorly controlled, noninsulin-treated type 2 diabetes: results from the Structured Testing Program study. Diabetes Care. 2011;34(2):262-267. doi:10.2337/dc10-1732
  2. Polonsky WH, Fisher L, Schikman CH, Hinnen DA, Parkin CG, Jelsovsky Z, Axel-Schweitzer M, Petersen B, Wagner RS. A structured self-monitoring of blood glucose approach in type 2 diabetes encourages more frequent, intensive, and effective physician interventions: results from the STeP study. Diabetes Technology and Therapeutics. 2011;13(8):797-802. doi:10.1089/dia.2011.0073
  3. Malanda UL, Welschen LMC, Riphagen II, Dekker JM, Nijpels G, Bot SDM. Self-monitoring of blood glucose in patients with type 2 diabetes mellitus who are not using insulin. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2012;(1):CD005060. doi:10.1002/14651858.CD005060.pub3

この記事は情報提供のみを目的としています。病気の診断でも、治療や用量の指示でもありません。治療の決定は、いつも主治医と一緒に行うものです。

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