糖尿病とは何か、体では何が起きるのか
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糖尿病は、血液の中のブドウ糖が細胞に入って燃料になる仕組みが崩れてしまった状態です。膵臓が十分なインスリンをつくれないか、つくったインスリンを体がうまく使えません。ブドウ糖は細胞の中に入らず、血液にたまっていきます。医学の上での名前は糖尿病です。
パン、ごはん、果物などの炭水化物は、消化の終わりにブドウ糖になって血液に入ります。ブドウ糖は細胞の燃料です。ただし細胞の扉はひとりでには開きません。血糖値が上がると膵臓がインスリンを出します。インスリンはその扉を開く鍵です。肝臓も同時に、自分のブドウ糖づくりを控えます。この仕組みが働いているかぎり、朝も夜も数値は狭い範囲にとどまります。
糖尿病では、この仕組みが二つの端から崩れます。膵臓でインスリンをつくるベータ細胞が壊れて鍵そのものが出てこなくなるか、鍵はあるのに錠前が以前ほど反応しなくなるかです。後者をインスリン抵抗性と呼びます。膵臓はしばらく余分に出して不足を埋めますが、年月がたつとこの埋め合わせが追いつきません。米国糖尿病学会の診療基準は、この二つの道を別々に定義しています。1型では自己免疫による破壊、2型では自己免疫によらない進行性の分泌低下です。肝臓もこの場面で黙ってはいません。血液にブドウ糖を送り続けます。
| 種類 | 体で起きていること |
|---|---|
| 1型 | 免疫が自分のベータ細胞を壊し、インスリンの産生が尽きます。 |
| 2型 | インスリンは出ているのに細胞が反応せず、産生がやがて追いつきません。 |
| 妊娠糖尿病 | 妊娠中のホルモンがインスリンの働きを妨げ、出産後もリスクが残ります。 |
| その他の型 | 遺伝の異常、膵臓の病気、一部の薬もこの状態をつくります。 |
- 糖尿病と「血糖の病気」は同じものですか。
- 同じものです。糖尿病は医学の言葉で、日常の言い方が並んで使われます。正式にはdiabetes mellitus、つまり「蜜のように流れる」という意味で、尿が甘くなることに由来します。
- 血糖とブドウ糖は同じものですか。
- 血液で測っている糖はブドウ糖です。食卓の砂糖は、消化でブドウ糖と果糖に分かれるショ糖です。血糖とは、血液中のブドウ糖の日常的な呼び名にすぎません。
- 糖尿病は甘いものを食べると起きるのですか。
- 甘いものを食べることだけでこの状態は始まりません。1型糖尿病は免疫が引き金になります。2型糖尿病では、遺伝、体重、運動不足、年齢がいっしょに関わります。
世界保健機関は、長く高いままのブドウ糖がとくに神経と血管に重い害を与えると述べています。この傷みは多くの場合、静かに進みます。型が何であれ、このリスクは共通です。糖尿病という名前がつくことは、それを管理することとは別です。ただ、仕組みを知らずに数値を読むのは難しいものです。どの型なのか、どの働きが崩れているのか、どの測定が自分にとって意味を持つのかは、たがいにつながっています。
参考資料
- American Diabetes Association Professional Practice Committee. 2. Diagnosis and Classification of Diabetes: Standards of Care in Diabetes—2026. Diabetes Care. 2026;49(Suppl 1):S27–S49. doi:10.2337/dc26-S002
- World Health Organization. Diabetes (fact sheet). Geneva: WHO; 14 November 2024.
- Türkiye Endokrinoloji ve Metabolizma Derneği (TEMD). Diabetes Mellitus ve Komplikasyonlarının Tanı, Tedavi ve İzlem Kılavuzu-2026. 17. Baskı. TEMD; 2026. ISBN 978-625-99759-8-6