1型と2型の糖尿病はどこが違うのか
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1型糖尿病では、免疫のはたらきがインスリンをつくる膵臓の細胞を壊してしまいます。2型糖尿病ではインスリンはあるのに、その働きを果たせません。片方は産生の喪失で、もう片方は使い方の問題です。この区別が、治療も進み方も年齢も違って見える理由です。
インスリンは、血液のブドウ糖を細胞の中へ入れる鍵です。その鍵がなければ糖は血液にたまります。1型糖尿病では、免疫がこの鍵をつくる膵臓の細胞を異物と見なして壊します。産生は終わり、外からインスリンを入れることが初日から欠かせなくなります。2型糖尿病では鍵はつくられますが、錠前がさびています。筋肉と肝臓の細胞が、インスリンに以前ほど反応しません。膵臓は不足を埋めるために何年も余分に分泌し、やがてその速さを保てなくなります。米国糖尿病学会の診療基準は、前者を免疫による細胞の破壊、後者を免疫によらない進行性の分泌不足と定義しています。
| 違い | 1型 | 2型 |
|---|---|---|
| おおもとの原因 | 免疫がインスリンをつくる細胞を壊します。 | 細胞がインスリンに抵抗し、膵臓がやがて追いつきません。 |
| 始まり方 | 症状が数日から数週間で一気に出ます。 | 症状が何年も静かに進みます。 |
| インスリン | 初日から外から入れることが欠かせません。 | たいてい何年もあとに話に上ります。 |
これほどはっきり見える区別が、なぜ混ざるのでしょうか。長いあいだ、こういう型が教えられてきました。1型は子どもに出て、2型は大人に出る、というものです。米国糖尿病学会はこの型をはっきり誤りとしています。どちらの病気もあらゆる年代に現れますし、大人になって始まる免疫由来の糖尿病は、ひと目にはもう一方に似ています。体重も当てになる目印ではありません。区別をつけるのは年齢でも体格でもありません。血液で探す免疫の目印と、膵臓に残っている産生の力です。
型の名前は好奇心の問題ではなく、向きの問題です。
- どちらのほうが危ないのですか。
- ひとつの答えはありません。リスクは型ではなく、血糖が年月のあいだどこにあったかで決まります。免疫由来のほうでは急な低下がより近い見守りを求め、もう一方では診断の遅れが静かな年月を積み上げます。
- 糖尿病はいくつの型があるのですか。
- 米国糖尿病学会は四つの大きなまとまりを数えています。免疫由来の型、抵抗由来の型、妊娠中に現れる糖尿病、そして単一の遺伝子の異常や膵臓の病気など、ほかの原因によるかたちです。
- 2型は1型に変わるのですか。
- いいえ。これらは同じ病気の段階ではなく、二つの別の過程です。抵抗由来の糖尿病でいつかインスリン注射が必要になっても、型が変わったという意味にはなりません。膵臓自身の産生が減ったということです。
- 「隠れた糖」はどの型に入るのですか。
- 日常の言い方で、境界型に当たります。血糖が正常より上で、診断のしきい値より下という状態です。指針はしきい値を、空腹時の測定、糖負荷試験、HbA1cのそれぞれで別に定めています。境界型はそのすぐ下の帯で、多くの人では抵抗由来の過程の前ぶれです。
参考資料
- American Diabetes Association Professional Practice Committee. 2. Diagnosis and Classification of Diabetes: Standards of Care in Diabetes—2026. Diabetes Care. 2026;49(Suppl 1):S27–S49. doi:10.2337/dc26-S002
- World Health Organization. Diabetes (fact sheet). Geneva: WHO; 14 November 2024.
- Türkiye Endokrinoloji ve Metabolizma Derneği (TEMD). Diabetes Mellitus ve Komplikasyonlarının Tanı, Tedavi ve İzlem Kılavuzu-2026. 17. Baskı. TEMD; 2026. ISBN 978-625-99759-8-6